日本経済新聞9月6日朝刊17面『大豆油、値上げ幅拡大 7~9月 大口13%』
「日本の植物油生産量のうち、大豆油と菜種油が大半を占める」と文中にありますが、恥ずかしながら大豆油の割合がそれほど大きいとは勉強不足で知りませんでした…。
大豆は日本人の食の必需品である認識がさらに強まりました。
9月に突入し、全国のさまざまな農作物の作柄概況も判明してきています。
北海道産の豆類では、最も収穫の早い『赤豌豆』の新物の案内がありました。
また先日から金時豆の収穫が開始され、9月中旬頃になれば小豆も収穫が始まります。
いんげん系(大手亡や金時豆)は少し不作気味、小豆は平年作くらい、大豆は平年作以上の見込みだと産地から情報が入ってきています。
近年の傾向として、小豆や金時などの豆類や他の農作物の作柄が良くない時でも、「大豆だけは収穫量がある」といった独り勝ちのような状態が続いています。暑さ・寒さや、強風、大雨といった最近の不安定な天候の中でも、一定の生産量を確保しているようです。
また大豆は生育期間中に起こりうるリスクも少ないように感じます。
金時豆は収穫直前に雨が降ると表面の色素が流れ落ちる「色流れ」というリスクがありますし、小豆は霜にあたると品質が悪くなる「霜当たり」というリスクがあります。白系の豆類(大手亡や白小豆など)は収穫前に雨が続くと表皮が灰色になり白餡原料として使えなくなる怖いリスクがあります。
一方、大豆はこれといったリスクを聞いたことがありません。もちろんノーリスクの農作物など存在はしないのですが、大豆は他の農作物と比較して相対的にリスクが少ないのだと思います。
・・・少し話が逸れてしまった感じがありますが、何が言いたいのかと申しますと、大豆は「世界的に不足気味で更なる生産を望まれている」かつ「生産者から選ばれやすい農作物である」状況のため、今後の生産は拡大方向に進むことが予想されるということです。
そして大豆が増えるということは、他の農作物が減ってしまうことになりますので、どの作物の面積がどの程度減少するかは、注意深く見ておかなければなりません。リスクの大きさ次第では、生産者さんの「〇〇離れ(○○=金時や大手亡??など)」が一気に発生してもおかしくない状況ですので。
何が起きても安定供給できるように準備をしつつ、まずは目の前の4年産が品質・数量ともに問題なく収穫されることを祈るばかりです。