
日本経済新聞 8月4日朝刊17面
『牧草輸入価格4割高 米で水不足・中国の需要増』
見出しだけ見ると、酪農関係の記事のようですが、実は北海道の農業にも大きく関わってくる話です。
『中国の需要増』と書かれているように世界的にニーズが強まると、価格上昇に加えて、そもそも牧草自体が入手しにくくなります。牧草価格高騰は酪農家さんにとって厳しいことですが、そもそも牧草が入手できなかったら、酪農を続けることが出来ず生計を立てていけません。
では日本としてどうなるかというと、国産つまり北海道の生産量を増やそうという動きになります。
『日本は年間消費量の約3割にあたる200万トン程度の牧草を輸入する』と記事中にありますので、国内消費量の7割は北海道で生産されていることになりますが、それをさらに増やそうとなると思います。
じゃあすぐに北海道で牧草の生産を増やせる状況かといえば、そうではありません。
というのは、北海道の農地もすでに奪い合いのような状況なのです。
「大豆ももっと生産してほしい」
「小豆の作付面積を拡大させたい」
「小麦の需要が高まっていて、供給が足りていない」
中国での需要の拡大や昨今のウクライナ侵攻の影響もあり、北海道では「あれも作ってほしい」「これも作ってほしい」という状況になっているのです。

ここで北海道産の小豆に話を振りますが、令和3年産の小豆の作付面積は19,000haでした。
そして今年 令和4年産の目標面積は22,000haと設定していたのですが、
最終着地は19,200ha予想と、相場をあげて面積拡大を試みましたが微増しかしませんでした。
その背景には上記に書いた通り、他の作物も「もっと作ってほしい」と声が強く最終的に
小豆以外を選んだ生産者が全体として多かったのだと思います。
今回の新聞記事の『牧草輸入価格の4割高』というのは、
まわりまわって『小豆の面積拡大がさらに難しくなる』可能性を示唆しています。
目標作付面積というのは、小豆の予想年間消費量から逆算して算出されますので、
需要を支えるのに必要な面積とも言えます。
その目標作付面積に対して2,800ha不足しているということ、そして翌年以降も小豆の面積が増えにくそうであることを私たちもよく頭に入れておかないといけないと思います。
平成30年のような「小豆不足」がまた発生する可能性もゼロではありません。
常に最悪のシナリオも頭の片隅に置き、将来を見据えて準備をしておかなければいけません。

