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お豆専門店NOTE 『#1 あずきについて(産地・品種・栽培方法)』

2022年6月9日  ブログ『お豆専門店NOTE』 

こんにちは!
豆の専門店 市川商店の市川です。

今回は私たち豆屋の専門分野中の専門分野である、「小豆(あずき)」について記事にしたいと思います。

小豆には実はいろんな種類があることはご存知でしょうか。

小豆という言葉の向こう側には、とっても奥の深い世界が広がっているのです。

いくつかの切り口がありますので、1つずつご説明していきますね。

(1)産地の違い
まず分かりやすいのは産地の違いでしょうか。

ざっくり分けると、まず「国産」か「外国産」かというところです。

外国産は、中国産やカナダ産が日本国内では多く流通しています。

一方、国産だと最も生産量が多いのは北海道産の小豆です。

さすが農業大国といったところでしょうか。

広大な土地で生産された小豆は、国産小豆の約9割を占めています。

北海道の次は、兵庫県・京都府が大きな産地となっており、

こちらで収穫される小豆は、「丹波大納言小豆」と呼ばれています。

デパ地下に入っているようなお菓子屋さんが寵愛されている超高級品です。

あとは青森県や岩手県でも少し栽培されていますが、生産者さんの高齢化等で年々生産量は減少しています。

寂しいですがこれが現状です……

(2)品種の違い
苺にも「あまおう」や「とちおとめ」といった品種があるように実は小豆にも品種があるんです

北海道産小豆で現在一番メジャーなのは「きたろまん」という品種です。

粒が大きくなりやすく虫にも強いため、生産者さんにとって嬉しい品種で、ここ数年でトップにのぼりつめました。

他には「エリモ」「北の乙女」「しゅまり」などがあり、餡にした時に味や風味が少しずつ異なります。

見た目はほとんど一緒ですが、製餡した時に違いが明確に分かるプロのお菓子屋さんもいらっしゃいます。ほんとに凄いです…!

(3)栽培方法の違い

あとは、栽培方法の違いがあります。

「特別栽培」か「慣行栽培」かの区別が分かりやすいかと思います。

ポイントは農薬・化学肥料の使用量です。

慣行栽培は一般的な栽培方法で、農薬も化学肥料も普通に使用するやり方。

一方、特別栽培はその使用量を慣行栽培の半分以下に減らしたやり方です。

農薬や化学肥料の使用量が減ると、生産量が減少する可能性があるため日本国内では慣行栽培がやはりメジャーです。

(ちなみに近年よく耳にする「オーガニック」とは「有機栽培」のことで、基本的に農薬・化学肥料を使用しないやり方を指します。ただ有機栽培は日本ではあまりされていないのが現実です。)

~終わりに~

産地・品種・栽培方法の3つの切り口から小豆についてご説明させていただきました。

もっともっと書きたいことはあるのですが、気付けば1,000字を超えていたので今回はこれくらいに留めておきますが、

奥が深く色々あることはお分かりいただけたかと思います。

餡子は和菓子の命。

その餡子になる小豆をどう選ぶかが、和菓子の味を左右すると言っても

過言ではないと思います。

洋服を買う時に必ず試着して確かめるのと同様、今の小豆が自分(お店)に合っているか、もっと美味しい小豆がないかを再確認してみてはいかがでしょうか。

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